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谷川 博康; 小沢 和巳; 森貞 好昭*; Noh, S.*; 藤井 英俊*
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.2080 - 2084, 2015/10
被引用回数:10 パーセンタイル:64.63(Nuclear Science & Technology)核融合炉内機器のプラズマ対向壁材料として有力視されているタングステン(W)皮膜形成法として真空プラズマ溶射(VPS)法が現実的手法として期待されている。しかし、VPS-Wでは空孔率が高いことから、バルクWに比べて熱伝導率が著しく引く、強度も低くなる、といった課題を示している。そこで本研究では、VPS-W皮膜の摩擦撹拌処理(FSP)による強化を試みた。その結果、FSP処理により空孔率が低く、バルクW並の強度と熱伝導率を有する細粒Wに強化することに成功した。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 呉田 昌俊; 玉井 秀定; 秋本 肇
Proceedings of 5th International Conference on Multiphase Flow (ICMF 2004) (CD-ROM), 14 Pages, 2004/06
革新的水冷却炉の稠密燃料集合体内の水と蒸気の二相流の構造を直接解析による大規模シミュレーションによって解明する研究を行っている。今回は、燃料棒表面の液膜挙動に注目し、解析を行い、次の成果を得た。(1)燃料棒表面は薄厚の液膜で覆われる,(2)隣合う燃料棒の間隔が最も狭い領域で液膜の架橋現象が見られる,(3)逆に蒸気は燃料棒間隔が広い領域を鉛直方向にストリーク状に流れる,(4)これは水平断面方向に三角ピッチ状に配列された燃料棒で囲まれる中心の領域は燃料棒狭隘部に比べて局所的に摩擦抵抗が低く、流れ易いためである,(5)稠密炉心における気泡の運動は流れ方向に対する直線的な移動が支配的であり、従来の正方ピッチ配列炉心で確認されている水平方向への移動の影響は小さい傾向にある。
玉井 秀定; 呉田 昌俊; 吉田 啓之; 秋本 肇
JSME International Journal, Series B, 47(2), p.293 - 298, 2004/05
低減速軽水炉の熱水力設計のためには稠密燃料集合体における圧力損失特性の把握及びその評価方法が重要である。本論文では、既存の45バンドル試験と原研で実施した7本バンドル試験の結果との比較により、Martinelli-Nelson及びHancoxの評価方法の予測精度を検討した。その結果、二相流の摩擦圧力損失は、水力等価直径が3mm以下の稠密燃料集合体では等価な円管より小さくなることがわかった。この理由は、稠密燃料集合体と円管の流路形状の相違とマイクロチャンネルの効果によるものである。
朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 仲野 友英; 東島 智; 久保 博孝; 竹永 秀信
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
ガスパフを行う位置は、周辺及びダイバータ・プラズマの密度や温度を制御するために重要な要素である。JT-60Uトカマクで主プラズマの上側及びダイバータ部からガスパスを行い、マッハプローブを使用して、プラズマ密度と流速を高磁場及び低磁場側境界層で測定した結果を示す。ダイバータ排気と同時に、主プラズマの上側からガスパフを行った場合、特に高磁場側の境界層で密度と流速が増加する。この際、主プラズマ中の不純物イオンの量が減少した。実験データの解析から、ダイバータへ向かうイオン粒子流による不純物への摩擦力が、高磁場側で2-3倍程度増加したことがわかり、遮蔽効果が向上したと考えられる。さらに、これらの実験で測定したプラズマ分布をもとに、不純物輸送コードを使用し、ダイバータから発生する不純物イオンの輸送解析を行った。その結果と測定した不純物イオンの発光データとを比較し、ダイバータにおけるプラズマ流の増加と不純物輸送への影響について議論する。
武田 哲明
日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.199 - 202, 2002/00
周囲から加熱される水平円管流路内に銅線を挿入して空気の強制対流により冷却する場合の熱伝達と圧力損失特性を実験的に調べるとともに、高空隙率多孔体を挿入した水蒸気改質器の性能及び構造の検討を行った。その結果、200以下の低温条件下でも平滑円管の場合に比べて熱伝達率は約1.5倍に増大した。一方,摩擦係数も8倍程度増大したが、加熱壁温度の上昇に伴って、伝熱促進効果は増大する傾向にあることを確認し、高温域では放射伝熱により更なる伝熱促進が得られるため、従来の伝熱性能を低下させずにコンパクトな熱交換器の開発が可能であるとの見通しを得た。
秋野 詔夫
ハイテクシンポジウム山口2001「抵抗減少制御シンポジウム」論文集, p.37 - 43, 2001/11
流体摩擦損失の低減技術は、省エネルギーにとって重要な研究課題である。原子力分野では、長距離配管による熱輸送の動力の低減を通じて、熱利用に役立てることが考えられる。本講演は、新しい受動的流体摩擦低減面を考案し、水流で実測した結果を述べるものである。比較の規準としての平滑面,従来技術の追試としてのリブレット面の測定を行い、測定精度等の確認をした。新しい面として、改良縦リブ付d型粗面,アザラシ毛皮面,及び、ジグザグリブレット面の測定を行い、それぞれ低減効果を生ずることを示した。
柴本 泰照; 与能本 泰介; 安濃田 良成; 久木田 豊*
Nuclear Engineering and Design, 201(1), p.83 - 98, 2000/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ROSA/AP600実験では、コールドレグにおいて、PRHRによる冷水とダウンカマ側からの熱水により最大温度差150Kという高密度比の対向成層流が観察された。このような多次元現象は従来の1次元安全解析コードでの予測は難しく、また、CFDコードによる微視的モデルも開発途上の段階である。これら計算コードの性能評価に用いるデータ取得のため、大気圧力下ての実験を行った。実験では、実機相当の密度差を模擬するために、作動流体に飽和塩水と淡水を使用した。両作動流体は水平試験部内で対向流を形成し、上層はほぼ静止状態の淡水層、下層は塩水層となる。乱流状態になる下層塩水層について、その速度及び塩の濃度分布は、密度成層せん断流に関するモーニン=オブコフ相対理論によって説明することができ、実験値は理論値と良く一致した。さらに、上下層の界面における抵抗係数・エントレインメント係数について、これらのfitting結果から評価し、既存の文献値との比較を行った。また、混合層厚さについて実験相関式を提案した。
土谷 邦彦; 中道 勝; 河村 弘
Effects of Radiation on Materials (ASTM STP 1366), p.988 - 999, 2000/00
核融合炉ブランケット構造において、異材接合が必要であり、各種材料とステンレス鋼との接合技術開発が行われている。接合方法のうち、摩擦圧接法が配管接合部における異種材接合に有望な方法の一つである。本研究において、耐スエリング性、高強度を有するアルミナ分散強化銅(Al-15)に着目し、Al-15/SUS316接合材を摩擦圧接法により製作し、中性子照射における接合材の機械的特性の影響を調べた。中性子照射は、JMTRにて中性子照射量:6.5~1010n/cm、照射温度:290~500Cの条件で行った。引張試験の結果、Al-15/SUS316接合材はAl-15母材部で破断したが、引張強度は、Al-15母材と比較して約15%低下していた。また、銅合金母材の引張試験結果は、ほかの機関で得られた結果と比較し、照射効果を明らかにするとともに、接合材の照射特性について考察した。
秋野 詔夫; 久保 真治; 高瀬 和之; 日野 竜太郎; Choi, K.*
日本機械学会流体工学部門講演会2000講演論文集 (CD-ROM), 4 Pages, 2000/00
乱流摩擦抵抗の低減は、省エネルギー技術として重要な課題である。リブレットなどの受動的な低減技術の効果は最大で8%程度である。Thom効果や振動面では50%近い低減効果が得られているが、このような能動的な方法には拡散消耗や実機に組み込むうえでの課題がある。そこで、われわれはより大きな10%を越える低減効果を生み出す受動的乱流摩擦低減面を見いだすことを目的として、試行錯誤的探索実験を行った。本研究では、矩形断面流路に被測定表面を取り付け、水を作動流体とし、流路に沿う圧力降下を測定して乱流摩擦抵抗を評価した。平滑表面で装置及び測定手法を確認し、リブレット面で従来方法の追試を行った。新しい表面として、改良縦リブ付きd型粗面、アザラシ毛皮面、及び、ジクザクリブレット面の測定を行い、それぞれ低減効果を有することを示した。特に、ジクザクリブレットでは10%を上回る低減効果を見いだした。また、低減効果の発現と流路中心部の乱れ強さの間に相関性があることを見いだした。
鈴木 弘; 三浦 昭彦; 藤田 秀人; 佐野 雄一
JNC TN8410 99-043, 135 Pages, 1999/10
アスファルト固化処理施設における火災爆発事故の原因に関し、エクストルーダから排出されたアスファルト混合物が高温であったことが考えられる。小型の2軸エクストルーダを用いた試験の結果からは、エクストルーダ内においてアスファルト混合物中の塩濃度が局所的に上昇し、粘性発熱を増大させること、エクストルーダ内の塩堆積により摩擦熱が発生することなどが確認された。これらの現象は、試験の結果からエクストルーダの運転方法等との関連が深く、運転時の挙動としてトルク等に現れると考えられた。このため、これらの試験結果を基に実機4軸エクストルーダの装置構成や運転方法を整理した上で運転記録の分析・評価を行った。この結果、運転記録に塩濃縮及び塩堆積の発生を示すと考えられる挙動が多数見られ、エクストルーダへの廃液供給速度の低下によりトルク値が26Bから30Bまで順次上昇していること等が確認された。これらのことから、廃液供給速度低下によりエクストルーダ内の物理的な発熱が増大され、充てん温度が標準供給速度時に比べ高くなったものと考えられ、ドラムへの充てん時期と物理発熱進展の考察結果が一致していることを確認した。これらの評価結果から、供給速度の低下によって2軸試験で確認されたようなエクストルーダ内部での塩濃縮現象及び塩堆積現象が顕著となり、これによる物理的発熱によって充てん温度が高くなったことが火災の原因であると評価した。
柴本 泰照; 与能本 泰介; 安濃田 良成; 久木田 豊*
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 14 Pages, 1999/00
ROSA/AP600実験では、コールドレグにおいて、PRHRによる冷水とダウンカマ側からの熱水により最大温度差150Kという高密度比の対向成層流が観察された。このような多次元現象は、従来の1次元安全解析コードでの予測は難しく、また、CFDコードによる微視的モデルも開発途上の段階である。これら、計算コードの性能評価に用いるデータ取得のため、模擬流体として塩水と淡水を用いた等温・大気圧下での実験を行った。両作動流体は水平試験部内で対向流を形成し、上層はほぼ静止状態の淡水層、下層は塩水層となる。乱流状態にある下層塩水層について、その速度及び塩の濃度分布は、密度成層せん断流に関するモーニン-オブコフ理論によってうまく説明することができ、実験値は理論値とよく一致した。また、上下層の界面における抵抗係数・エントレインメント係数について、これらのfitting結果から評価し、既存の文献値との比較を行った。
林 和範; 加納 茂機
PNC TN9410 98-049, 55 Pages, 1998/03
高速炉の中間熱交換器等の大型重量機器のサポート構造部を、熱応力を回避するスライド型サポート構造とすることの可能性を考え、スライド部に適用可能と考えられるセラミックス材料および超硬材料について、常温大気中および高温窒素雰囲気中での低速のトライボロジー試験を行い摩擦特性の調査を行った。その結果、1)常温大気中での低速の摺動において、セラミックスおよび超硬合金はステンレスよりも低い摩擦係数を示すこと、表面あらさが大きいと摩擦抵抗が大きいこと、ラップ仕上面では炭化ケイ素同士の組み合わせが低い摩擦係数を示すことが確認された。2)同種材料での相対変位速度を変えて行った摩擦試験から、セラミックスおよび超硬合金は、ステンレスに比して広範な速度域で安定に低い摩擦係数を示すこと、セラミックスの中でもPSZが最も小さい摩擦係数を示すこと、また炭化ケイ素はどの相対変位速度でも安定した摩擦係数を示すことが明らかとなった。3)高温窒素雰囲気中ではステンレス同士の摩擦係数は1より大きくなるのに対し、セラミックス(炭化ケイ素,窒化ケイ素)同士では常温大気中とほとんど変わらない摩擦係数を示すことが明らかとなった。4)高温窒素雰囲気中の往復摺動試験においても、ステンレスの摩擦係数は1より大きい値を持続するのに対し、セラミックスでは欠けに代表されるような激しい損傷が発生してもこのような大きな摩擦係数には達しないことが明らかとなった。
菊地 賢司; H.J.Penkalla*; 西 宏
日本機械学会論文集,A, 63(613), p.2032 - 2037, 1997/09
ニッケル基耐熱合金のクリープ構成式を新粘弾性材料モデルに基づいて900,950Cの場合について構成式を導出し、すでに報告した850Cの場合と併せてパラメータqとの温度依存性、並びに含有ホウ素量をコントロールし延性と強度を高め最小クリープ速度を抑えたハステロイXRと、ホウ素量をコントロールしていないハステロイXRに見られるパラメータ特性の相違をも検討した。XRの場合には温度が850から900Cに上昇するとクリープ指数が1.8から1.1に減少したのに対し、950CハステロイXRでは1.4となった。は850CのXRに較べて、900CのXR及び950CのXRは低応力側で急激にが大きくなっている。は900,950Cの場合にはが低応力側で大きく一次クリープの期間が応力の低下につれて相対的に短くなることがわかった。
M.S.Islam*; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋; 門出 政則*; 数土 幸夫
JAERI-Tech 97-032, 49 Pages, 1997/07
片面均一加熱の矩形リブ付き狭隘流路の乱流域における摩擦損失計数と熱伝達率を実験的に調べ、実験データを基にしてそれらの実験式を導出した。実験は、リブピッチと高さの比(p/k)が10及び20(リブ高さは0.2mm)の条件で、流路高さ(H)を1.2mm、2.97mm、3.24mmと変えて行った。熱伝達率はリブのない平滑な流路よりも2倍以上向上するが、Re数が5000以上で、p/kが10、流路高さが1.2mmの場合には、圧力損失が2.8~4倍増大した。流路高さが1.2mmの実験結果は、H=3.24mmの場合よりも高い熱伝導率と摩擦損失計数を示した。得られた成果は、大強度陽子加速器システムにおいてターゲット板に発生する12MW/mの高熱流束を除去するためのターゲット冷却材流路の設計に役立つものと考えられる。
高瀬 和之
Nuclear Technology, 118(2), p.175 - 185, 1997/05
被引用回数:5 パーセンタイル:42.84(Nuclear Science & Technology)スペーサリブ付き環状燃料チャンネルの乱流熱伝達特性を、実験的及び数値解析的に調べた。実験は、最高温度1000C、圧力4MPaのヘリウムガス条件下で実施され、熱伝達率、摩擦係数、圧力損失、流路内外面温度等の各分布が定量評価された。一方、乱流計算には従来から実績のあるk-2方程式モデルを使用した。著者はすでに層流域並びにレイノルズ数が5000以上の乱流域に対して、熱伝達率と摩擦係数の各実験結果と15%以内の誤差で一致する解析を得ている。今回は特に、k-モデル定数の1つであるCu値並びに乱流プラントル数を見直すことにより、数値的に十分な精度で予測できるレイノルズ数範囲を3000にまで低下させることに成功した。本研究により、スペーサリブ付き環状流路の伝熱性能を数値解析的に十分評価できる見通しが得られた。
M.S.Islam*; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋; 門出 政則*; 数土 幸夫
JAERI-Tech 97-008, 46 Pages, 1997/03
1.5MWの陽子ビームを受けるターゲットでは最高12MW/mの高熱流束を発生し、それを除去するためにターゲットの冷却材流路である矩形狭隘流路の伝熱促進は極めて重要な工学技術である。本報告では、片面加熱のリブ付き狭隘矩形流路の熱伝達率と摩擦損失係数を従来の実験式を用いて評価した。このとき、リブのピッチ(p)と高さ(k)の比(p/k)を10~30、また、リブ高さと等価直径(De)の比(k/De)は0.025~0.1で与えた。リブ付き伝熱面は、Re=10000、p/k=10、k/De=0.1のとき、平滑な面よりも熱伝達率が約4倍向上することが示された。このような熱伝達率の向上により、12MW/mという極めて高い熱流束においても、流動不安定を引き起こす沸騰を生じることなく熱除去が可能なことが分かった。このようなリブ付き矩形狭隘流路の伝熱促進をターゲット冷却と同じ水流動条件下でさらに詳細に調べるための試験装置を検討した。
高瀬 和之
Experimental Thermal and Fluid Science, 13(2), p.142 - 151, 1996/08
被引用回数:8 パーセンタイル:49.95(Thermodynamics)高温高圧条件のもとで3次元または2次元突起を有する環状流路の熱流動特性を調べた。3次元突起を有する環状流路の熱伝達率と摩擦係数は、平滑環状流路の値に比べてそれぞれ乱流域では23%、26%、層流域では21%、17%増加した。熱伝達率と摩擦係数が増加した主な理由として、従来考えられていた3次元突起による伝熱促進効果に加えて流路断面縮小による加速流の影響が無視できないことを実験的に明らかにした。一方、2次元突起を有する環状流路の熱伝達率と摩擦係数は、3次元突起のそれぞれの値に比べて乱流域では50%以上増加するものの、遷移域から層流域にかけては3次元突起の値を下回り、むしろ平滑環状流路の値に近づく結果が得られた。本研究により、この現状は流路の壁面粗さと粘性底層の関係から説明できることが分かった。さらに、2次元突起の伝熱性能は3次元突起の場合に比べて、本実験の範囲では流量一定の条件では約50%、ポンプ動力一定の条件でも約30%以上向上することを確認した。
高瀬 和之; 秋野 詔夫
JAERI-Research 96-031, 24 Pages, 1996/06
ピン・イン・ブロック型高温ガス炉で使用される3次元スペーサリブ付き環状燃料チャンネルの伝熱流動特性を、レイノルズ数が3000以上の十分に発達した乱流条件下で3次元熱流動計算を行って数値的に解析した。乱流計算には、従来から実績のある-2方程式乱流モデルを使用した。筆者らはすでに、レイノルズ数が5000以上の乱流域に対して、熱伝達率と摩擦係数の各実験結果と15%以内の誤差で一致する解析結果を得ている。今回は、-乱流モデル定数と乱流プラントル数をJonesとLaunderによって提唱された標準値から改良した。その結果、数値的に十分な精度で熱伝達率と摩擦係数を予測できるレイノルズ数範囲を5000から3000に低下させることに成功した。本研究により、高温ガス炉の定格運転条件である3000以上のレイノルズ数領域における炉心熱設計を数値解析的に十分評価できる見通しが得られた。
H.J.Penkalla*; 菊地 賢司
日本機械学会論文集,A, 62(593), p.162 - 167, 1996/01
高温クリープ変形領域における材料の粘弾性変形特性を「新粘弾性材料モデル」として理論化した。非弾性歪速度を内部応力を含む応力のべき乗則で表した。内部応力は、背応力(荷重付加による誘起応力でクリープ変形抵抗の保存力)と摩擦応力(変形抵抗の散逸力)より成る。ハステロイXRのクリープ変形特性、降伏応力、ヤング率より、合計7個の材料定数を定めた。内部応力の応力依存性は、内部変数としてクリープ変形曲線より定めたので、材料定数の決定法に再現性がある。また、ORNLモデルで見られるような変形に対するしきい値も存在しない。クリープ、引張、応力緩和、応力急減時の変形挙動を解析した結果、本構成式は時間依存型の変形を精度良く記述できることがわかり、本モデルの有効性が確認された。
土谷 邦彦; 河村 弘; 新保 利定
Fusion Technology, 2, p.1399 - 1402, 1996/00
核融合炉のブランケット構造において、異材接合が必要であり、種々の材料とステンレス鋼の接合技術開発が行われている。接合方法のうち、摩擦圧接法が異材接合において一般的な方法である。本報告書は、耐熱性かつ低放射化材料のNb-1%Zr合金に着目し、Nb-1%Zr/SS304接合材を摩擦圧接法により製作し、中性子照射下における接合材の機械的特性の影響について調べた。引張試験の結果、中性子照射後の接合材においても、Nb-1%Zr側で破断し、母材とほぼ同等の強度が得られた。その他、硬さ試験、SEM/XMA観察、全相試験等を行い、本接合材が異材継手として中性子環境下でも使用できることが明らかとなった。